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今月のおすすめ作品(2024年5月)

 私です。

 先日コナンの映画を見てきました。今年は五つ巴の上謎も三つぐらい同時進行するという複雑さも相まって、内容に身が入って音響に集中することは出来ませんでしたが、その分とても面白かったので満足しています。

 まあ、「なんでそんなとこで戦ってんだ……」という困惑の感情をまたも抱くことになるとは思いませんでしたがね。


 さて、今月から始まった「おすすめ動画制」。

 私がこれまでに投稿した殆どの動画の再生状況をスコアリングし、前の月の状態を元におおよそ13本ぐらいをピックアップするというものです。1本分だけ自由枠があります。

(でも、そんな私の好みが1本分しか反映されないものを本当に「おすすめ」などと言ってしまっていいのだろうか)

 

 今月のラインナップは以下の通り。

緑眼のジェラシー

 地霊殿より。

 嫉妬についての自分なりの解釈を文体化し、それを音楽に落とし込んで表現したアレンジとなっています。

 投稿2週間弱にして既にかつて無いほど多くの人に意図が伝わっているようで、私としては満足しています。

 

 私は今年の頭から、実生活の方でかなり嫉妬に悩まされてきました。

 その時に感情の動きについて考え、「寂しさは嫉妬に続いている」「寂しい心は悲しみに、悲しみは怒りに、怒りは狂気に、狂気は苦痛に繋がる」という結論に至りました。

 今作は原曲のフレーズを7回も繰り返し、その中で、寂しさから嫉妬を経て苦痛が取り残される様を描きました。

 ピアノが寂しさと悲しみ、シンベとギターが怒り、クワイアとオルガンが狂気に相当しています。

 

 余談ですが、Twitterでのアンケートの際、緑眼のジェラシーは『トータスドラゴン』『霊知の太陽信仰』『千年幻想郷』という錚々たる面々をなんと得票率50%という圧倒的な数で退けました。

 思いっきり票数割れるぞと思っていたのですが、みんなそんなに聴きたかったんですね。ちょっと意外でした。

魔法陣 ~ Return to Demon World

 先月スコア1位はこちらの作品。投稿したてなので当然です。

 怪奇談収録の原曲サブタイトルは「Magic Square」ですが、今作では「Return to Demon World」としています。

 

「魔法陣」と靈異伝魔界ルートの『the Legend of KAGE』はフレーズがよく似ていて、今作はそんな「KAGE」の要素を盛り込んだ為このようなサブタイとなりました。

 その他、『魔鏡』や『少女綺想曲』の要素も混ざっています。

「再び魔界に攻め入らんとする靈夢が前回の様子を想起している」といったところでしょうか。ロクな記憶がなさそうだな。

 

 ちなみにアンケートでの対抗馬は『魔界地方都市エソテリア』『輝く針の小人族』『フォールオブフォール』でした。

 正直言ってこれらを抑えて1位になったのは予想外でしたし、その割に早々に再生状況が落ち着き始めたのも予想外でした。でも手癖でアレンジしやすかったのはそう。

 流石私のフォロワーは旧作系好きだなあと思ったんですが、その割に昨日のアンケートは『Witch of Love Potion』が最下位なんですよね。基準がわからん。

ハーセルヴズ

 秋霜玉より。エンディング曲。

 あまりにも原曲が短かったので少しかさ増ししています。

「三部構成が美しい」という意見をちらほら見かけますが、当時の私はそれを知りませんでした。ちょっと悪いことしちゃったかな……。

the Grimoire of Alice

 怪奇談より。

『far East ~ 東の彼方の夢』用のアレンジですので、音使いも蓬莱人形的で、特に『二色蓮花蝶』に寄っています。

 テーマにはよく合っているのすが、個人的にはあんまり好きではないので、いつかそういったしがらみがない状態でリベンジしたいなと思ってます。そうだなあ、もっとこう、Hybrid Sawとか使いまくりたいですね。

 まあでもこれも恰好良いですよ。とても。

Oriental Magician

 靈異伝魔界ルートより。

 先月のスコアは0。全期間の1日あたりの再生数は0.23回で、集計対象である動画の中では堂々の最下位です。

 正直意外ですが、知名度を考えると仕方がないのかもしれません。

 東方曲随一の暗さの表現自体は出来ていると思っているのですが……ちょっと元気になっちゃった感はあるとはいえ。

 

 クラリネットは偉大です。こういった荘厳な曲にはよく合います。

 ギター、オルガン、コーラスが静かに鳴り響く前で、ゆったりとフレーズを奏でる。この感じがいいと個人的には思うんですよね。陰鬱な雰囲気にもぴったり。

 とすると、エレピがミスマッチだったかもしれませんね。些か爽やかすぎました。

狂気の瞳 ~ Invisible Full Moon

 永夜抄より。

 紅魔郷風アレンジで名高い亡我さんとの合作です。

 亡我さんがMIDIを作り、私がそれを更に編曲ミックスするというやり方でした。ちなみに私からは『禁断の魔法』をお出ししています。

 

 イントロ部のヴァイオリンと2回目のサビ前のペットは亡我さん、イントロからほぼ通しで鳴り響くシンベと2周目イントロのドラムは私の要素でした。

 このイントロのヴァイオリンは大好きです。原曲よりスローテンポな本作にはとてもよく合っていて、怪しさが際立っていると思います。今でも原作を遊んでいて狂気の瞳が流れたらつい口ずさむぐらいには好き。

 あと「好き」といえば、このシンベの使い方は『緑眼のジェラシー』でもやりました。わりかしダークな曲をやる時は大抵このFollow Meという音を低音域でブゥーーンと響かせています。この2曲の他に『キャプテン・ムラサ』や『人形裁判(未完成)』でも同様の使い方をしています。

 

 楽しかったのでまた誰かと合作したいのですが、私はあんな恥ずべき去り方をしてしまいましたから、多分もう二度と無いでしょう。貴重な体験でした。

ポイズンボディ ~ Forsaken Doll

 花映塚より。

『風花舞台 ~ Living dolls』の6曲目として用意したアレンジです。同シリーズで多用したGlassy Bellを使っている為少しクリアな印象がありますね。

 

 概要欄ではスネアにフランジャーを掛けるのが技術的に面倒としていました。

 スネアドラムというのは専用のマイクだけでなく、オーバーヘッドやルームマイクにもかなり音を拾われる関係上、EZDのような生音系ドラム音源では単独で弄るのは困難なのです。というより、肝心のスネアの響きの要素はそのOHやルームのほうが多く含んでいるため、原曲のようにスネアにフランジャーをかけようとすると、シンバルも一緒に加工することになってしまうのです。

 今ならそんなもの簡単に対処できるのですが、まあ、昔のことなので許してやって下さい。代わりにシンベ入れましたから。ほら、なんかあれ毒々しいでしょ?

月まで届け、不死の煙

 永夜抄より。MIDI版の雰囲気がとても好きなので、今回はそちらをベースにアレンジしました。

 もう投稿から半年経ちましたが、多分長期的な再生状況で言うと、これが最も安定しているといえるかも知れません。ありがたいことです。

 なんか色々語ることはあるんですが、今は何も思い出せないのでまたの機会に取っておきます。

 

 あ、そういえば画像を用意するのが地味に大変だった記憶があります。

 特に、陽の光が輝いて見えるほどの真っ昼間の竹林を真っ暗な真夜中にしなきゃならんわけで……。

渡る者の途絶えた橋

 地霊殿より。

 この曲は静かなフレーズと途中の追い立てるようなフレーズの対比が好きで、アレンジにあたってはその点を強調しました。

 前々からずっと思ってたんです。「この曲をアレンジすることがあったらこの部分(ちょうどパルスィが現れる辺り)は絶対後ろで激しくドンドコさせる」と。あの「ヤベー奴が現れた」感が大好きなんです。

 夢がまた一つ叶って満足しています。

Peaceful Romancer

 幻想的音楽より。大元は怪奇談のExスタッフロールです。

『far East ~ 東の彼方の夢』のじっとりした雰囲気に合わせる為、原曲からキーを上げてEmにしました。シリーズ3曲目の『アリスマエステラ』でも同じことをしているので、まあ統一感はありますよね。

 

 怪奇談版も明るいカーテンコールといったふうであれもあれで好きなのですが、幻音版には特に聴き惚れました。あのフルートの寂しい感じ。「さようなら」という言葉がこれほどふさわしい東方曲もありません。

 幻想を求めたとある少女を描いた「東の彼方の夢」を作るとなった時、エンディング曲はこれしかないと決めていました。

 

 ところで、連縁のテーマって幻音版ピースフルのバックのフレーズと同じですよね。

 もともと旧作から枝分かれしたような作品群ですから、それを表しているのかなあなんて思ったり。全然違うかもしれませんが。

風そよぐ花の舞台

 スコア0組では再生数の面でワースト。一応平均再生数のほうは日数の関係で『Oriental Magic』よりわずかに上回っています。

『風花舞台 ~ Living dolls』収録。東方風オリジナル曲です。

 といってもこのシリーズの東方風はあんまり東方風していません。多分ZUN氏はこんな曲はこんな音使いで作らないと思います。

 私は東方風とは自分の曲に東方のエッセンスを乗せるものだと思っていますから、それも仕方がないことです。音使いに至るまで全く模倣する勢とは相容れない。

 

 立ち位置としては、この曲はシリーズの主題にあたります。『大空魔術』における『大空魔術』のような感じですね。

 メインフレーズの前のめりなリズムをみてピンとくる方もいるかもしれませんが、本作はほんの少しだけ『ネクロファンタジア』を意識している側面があります。「花の舞台」とは花咲き乱れる幻想郷のこと。花といえば花映塚。花映塚に八雲紫は出ていませんが、あの頃の幻想郷を表現するならば避けては通れないと思い、このようなフレーズとなりました。更に「いつものフレーズ」でダメ押し。

 この曲の優しさは良いですね、『鏡の国の魔法使い』から『エニグマティクドール』への橋渡し役として完璧です。(シリーズの主題じゃなかったっけ??)

 

 しかしまあ風花舞台の曲はよく出来ましたよね。

 言われないと東方風だってわからないでしょうし、一部フレーズを変えて『映デル』に流用できないかな。

紅響曲 ~ Scarlet Phoneme

 幻想郷より。

 コード進行自体は幻想郷曲にありふれたものですが、この曲ではメロディにちょっぴり半音を混ぜることで吸血鬼らしい少し高貴な印象を与えていますね。アレンジでもその辺りを意識した楽器使いにしていました。

 

 本作の特徴はやはり「なんでこの曲でやったんだ」と言われかねない発狂ピアノの群れでしょうか。私自身「なんでこの曲でやったんだろう」と全く同じことを思っているわけですが、兎にも角にも、ここで様々な発狂ピアノの分析ごっこをしたことで成長した感覚はあります。自分でやる際のバリエーションが増えたといいますか。

 まあ言ってしまえば勉強台ですよ。ほんとになんでこの時この曲でやったのかはわからないけど。

幻想の住人

 幻想郷より。

 特に言うことは無いですね。

 この曲も平均再生数では『風そよぐ花の舞台』と並んでいます。再生数自体はあちらより200ほど多いものの、投稿時期としてはこちらのほうが2年ほど古いので致し方なしです。

 ちなみに、これら2本より更に再生数が少ない『訪れぬ五月晴れ』は、先月1回再生されていたためワースト群入りを免れました。

 以上、2024年5月のおすすめ曲でした。

 新し目の動画はどうせまた来月もおすすめに入るとして、その他がどういったラインナップになるか、今から楽しみです。