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今月のおすすめ作品(2024年5月後半)

 私です。

 今週誕生日を迎えました。例年ならスクショかツイートでもって報告するのですが、ここ最近動画の話ばっかりでそろそろ鬱陶しいかなと思い始めていたので控えました。前日までいつも通り呟いてたならもう一日ぐらい勢いでいっちまえよという感じはしないでもないですが。

 ちょっとリアルのほうで色々あって自信がなかったんです。


 今月から始めておいていきなり半月で変えるのもどうかとは思います。

 気が向いている時は半月制にするということで、ご了承戴きたく。

 

 はい、今回のラインナップは以下の通りです。

リバースイデオロギー

 輝針城より。

 今月の自由枠です。先週のアンケートの結果、『永遠の三日天下』が次回アレンジに決定したため抱き合わせとしてピックアップしました。

 

 こういうドコドコしたパーカスってなんていうかわからないのですが、ちょっとやってみたかったんです。それはもう派手にやりましたね。小物が大仰なことをしでかす図にピッタリだと思います。

 途中、『不可能弾幕には反則を』『永遠の三日天下』が流れる部分があります。不可能弾幕のほうは結構自然に入れられたと思っています。三日天下はちょっと急すぎたかなあ……?他、二周目では『輝く針の小人族』の例のリズムが入っていますね。コメントを見た感じそのままもう少し小人族に寄せたほうが良かったかなとも思っています。今にして思えば、そのまま長々と一周目を繰り返すというのも味気ないので。

 実は、『始原のビート』の和太鼓のリズムも小人族と同じタイミングで入っています。気づきませんよね、仕方がありません、ミックスが下手だったので。今の私ならもっと聞こえやすくできます。


舞踏機関、壊れた

 无現里及び天影戦記より。闡裡鶴喰及び國主雀巳のテーマ。

 実はここ最近の伸びが良い動画だったりします。無論数字的には「月まで届け」以降の動画に負けていますが、それらを除くと『オルフェの詩』と並んで割と好調。

 なお、今回はスコアが最も平均に近いという理由でリストインしました。

 

 原曲からしてノリノリのこの曲。今回は雀巳の要素を入れるため音使いを若干禍々しくしました。ギターを積極的にメロディに回したりだとか、グニャグニャしたシンベをずっと鳴らしたりだとか。

『永劫舞踏機関』から『MO-NA-D-1』への移り変わりをどうするかは結構悩みました。たまたま調を同じくする箇所があったは良いものの、舞踏機関のほうがまだそういうタイミングじゃない。じゃあそのタイミングが来るまで調を固定するか。と、半ば強引に舵を切らせています。

 そして4分すぎのちょうど二曲が混ざる部分。ここが一番作っていて楽しかったです。ここで用いた「片方の曲の音並びをもう片方の曲のリズムでやる」という移り方は私のメドレーではよく出てくる手法なので、今後メドレーものを出すことがあれば注目してみると良いと思います。まあ、どれも大作すぎて一向に作業が進んでいないわけですが。

 

 にしてもモナドに入った瞬間の三本ギターぶ厚すぎて恰好良いな。


かわいい悪魔 ~ Innocence

 ふっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっる。

 最初期も良いところじゃないですかこれ出したの。

 

 幻想郷より幻月戦の曲です。イントロとその長さに対して割とメインフレーズが大人しいことで有名ですね。嘘です私が言っているだけです。

 これは……流石にもう一回アレンジしたいなあ。今聴いてもまあよく出来たアレンジではあるのですが、それでも音をただ置いただけで満足していた頃の作品ですから、使用音源以外の部分でも成長したことを示すべく再挑戦したいものです。今ならもっともっともっと恰好良くアレンジできる。

 

 しかしあれです、この頃からアレンジにあたっての構成の方はあまり変わっていないんですね。

 安心したのが半分、バリエーションの少なさへの焦りが半分、といったところです。現状としては。


Happiness maple

『風花舞台 ~ Living dolls』用の東方風自作曲。

 といっても、この曲に関しては半分半分です。なんせ『メイプルワイズ』へのオマージュとして『神話幻想』のフレーズを堂々と入れているわけですから。そういえば風花舞台の実質的前作にあたる『far East ~ 東の彼方の夢』は神話幻想から始まっていましたね。割と真面目に、今気づきました。そういう繋がりがあったのか。なんも考えてなかったわ。

 

 この曲は確か、シリーズでもかなり最後の方に作った作品だったはずです。もうネタが尽きまして、どうしようと考えて考えて、当時制作中だった単独の東方風曲からイントロのメロディを丸ごと持ってくる形で作り始めました。最後のほうに作った割に一番東方風っぽいのは、そういった側面もあるのかも。なんたってこのシリーズ、他の自作曲は軒並み東方から一歩引いたような曲調をしているわけですから。

 聴いてみると、Aメロは『幻想郷』、Bメロは『エキストララブ』辺りに似ています。まあどちらも旧作にありがちなフレーズですね。あの辺を意識すると似通ったフレーズばかりになります。参考元が既にそんなんばっかなんで。

 

 ちなみに、イントロを取られたほうの曲はボツになり、今年再発見するまで忘れ去られた存在になりました。展開自体はAメロから全く変わるもうちょっと夏っぽい曲ですし、また別物として作って良いかもしれません。


Incomplete Plot

 お前未だにコメントついてないのな。

 

 幻想郷没曲。

 この前年に投稿した同名のアレンジを、『風花舞台』用にマイナーチェンジしたものです。ピアノやベースの音が少し変わっています。

『Incomplete Plot』はなんといってもその広々とした感じが好きです。ちょっぴりダークな広さが好き。サビの部分で曲調がガラッと変わり伸びやかなフレーズがメインになりますよね、あの部分の原曲の音選びが好きなんです。私のアレンジでは確か、リーロマとテナーサックスとパイプオルガンとエレピとピアノとロマペを重ねていた筈。もう滅茶苦茶音重ねてます。そうしてでも表現したいぐらい好きなんです。

 あとサビ後半のアルペジオが良いですね。気持ちよい音になるよう、アレンジでもピアノのベロシティにはかなり気を遣いました。メリハリがあって良いと思うんですよ。どうです?


月まで届け、不死の煙

 永夜抄より。

 スコア上位組は前回から続投です。

 

 確か元がMIDI版というだけあって、いつも使っている音源以外の部分は殆どハチプロの音を使っていた気がします。ベターッとしたストリングスを聴くと分かりやすいかもしれませんね。あとはクラビネットやオルガン辺り。鐘もハチプロのだったかな確か。全体的に半分ぐらいチープな感じが、MIDI版のアレンジとしての立場を物語っていると思います。私的にはこれは成功。


47ばんどうろ

 まさかのポケモン。HGSSより。

 かなり古いアレンジです。当時47ばんどうろに非常に強い思い入れのあった方からの熱いリクエストを受けて制作しました。その熱さたるや思わず笑ってしまうほどだったのですが、まあ気持ちはわかります。雄大で美しい曲ですし、そもそもHGSSが良曲揃いですからね。私は42ばんどうろのが好きかな。

 またリクエストがあれば、こういう曲に手を出すのも良さそうです。

 

 それにしても今回は東方も自作曲も連縁もポケモンもあってバランスが良いですねえ、こういうときに限って西方曲が無いのが残念ですが。

 


魔法陣 ~ Return to Demon World

 怪綺談より。これまた前回に引き続き、スコア上位組としてリストインしました。

 

 ギターが恰好良いですね。実は、私のアレンジでギターをここまでジャギジャギさせるのは珍しいほうです。ときには『華狭間のバトルフィールド』のときのように思いっきりギターバリバリのアレンジをしたいのですが、なかなかそういう曲にならないんです。好みとやりたいことは違うので。

 その点でいうと『緑眼のジェラシー』はまた随分な力技でギターねじ込みましたね。あれはあれで珍しいかも。


六十年目の東方裁判

 伊弉諾物質より。

 聴いて分かる通りの旧作風、そして伊弉諾物質版のアレンジです。あのアウトロが好き。そこが流れるより先に伊弉諾版だと気づいたコメントの人には「なんで」と言いたい。ラスサビを繰り返したから? それとも特徴的なドラムのパターンで分かったとか……?

 

 これもまたかなり力技で同時発音数を抑えていた筈……。例えば和音に聴こえる箇所は、たまたま構成音と被っているメロディを和音側のリズムに合わせて区切ることで、伸ばしにもリズムにも聴こえるようにするだとか。そんなこと旧作でやってるか?????


緑眼のジェラシー

 地霊殿より。

 当然ながら、スコア最上位です。ぶっちぎり。本来上位側であるはずの「舞踏機関」が平均値になるぐらいにはぶっちぎり。

 やはり、最も新しい作品なだけあってミックスが綺麗です。成長を感じます。

 

 最近、とうとうリアルでの嫉妬がヤバくなってきたので、嫉妬と向き合う本を買いました。まあ嫉妬のメカニズムについては文体化できるぐらいなのでその辺りについてはどうでも良いのですが、嫉妬の処し方については文体化できていないので、そちら目当てに。

 いやね、私と同類の人間がいるんですよ一人。でもその人は私が欲しくても得られないものを沢山持っていて、なんかいつも楽しそうにしてるんです。三月の頭頃まで仲良くしていたのに、物理的に少し距離が出来たタイミングで一旦冷静になった私はもうすっかり反転してしまって。

 いや、そもそも私と同類なんで、明るいように見えて心の底は氷のように冷たいんですよその人。誰よりも真面目に取り組んでたものに対して人格変わったんかってぐらい突然飽きるし。仲良くはしてたんですけど、絶対ずっと私のこと冷ややかな目で見ていたんですよその人。絶対。私があいつの立場だったらそうする。「こいつ面白いけど仲良くはしていたくないな」とか、「一緒にいると周りからこいつと同じと思われるからなんとかしてちょっと距離取りたいな」とか。あいつずっと私にそう思ってたんですよそうだよ違いない。私なら私みたいなやつが近くにいたら絶対顔で笑いながら目でそう思ってる。許しがたいですよねほんと。顔も見たくねえ。

 嫉妬に加えて同族嫌悪。もう最悪ね。私ってば同族嫌悪してばっかね。いつもね。

 そうねえ、嫉妬の段階としては、四周目辺りでしょうか。フルートとクワイアが入ってギターが刻み始めた辺り。まだピアノが原曲通りの発狂をしてクワイアが叫ぶほどじゃない。便利だなこれ。


戦闘!キュレム

 またもポケモン。BWより。

 レシラム戦ゼクロム戦とはイントロのリズムが違うのがポイントです。このアレンジではかなり強調させました。

 この曲はシンプルに恰好良いですね。自然が襲いかかってくる壮大さや世界を造った神々を鎮めるといった要素はありませんが、代わりにかなりヒロイックで、まさに「英雄」に相応しいと思います。

 

 アレンジにおいては、レシラムやゼクロムと違い当時まだ「洞窟にいた氷を操るなんかヤバい奴」でしかなかったキュレムに寄せるべく、ピアノやトレモロストリングス、ライドシンバル、グラス系のシンセ等、氷をイメージさせる音を仕込みました。特にCubaseのなんかのシンセに入ってたIceなんとかという名前のシンセ(情報量がなさすぎる)が良い音をしていたので、全体にわたってストリングスと共にコードを担当させています。空洞感といいますか、寒気や恐ろしさも含んだような、そんな感じのする音です。1分24秒辺りで鳴っているのが聞き取りやすいと思います。

 あとは、テンポ感が普段アレンジしている曲とは全く違うのもあって、ドラムでかなり遊びました。恰好良いと思いませんか。


虚、実を表裏上ぐ

 疾走感が気持ち良い。无現里より5面のテーマです。原曲も連縁曲で一番好きです。

 

 ハープシコードとハイハットと他の音がなんか良い作用をしてきらびやかなアコギっぽく超えていますが、このアレンジではアコギは使っていません。当時はそんな良い音のアコギ音源なんて持ってませんでしたし。

 今でももう殆ど使わなくなってしまったCeltic Ens(動画では紫のノートに相当)が使われています。やっぱりこの音は下手にモジュレーションを掛けずに使うのが一番良いです。ベタ打ち最高。

 

 そういえばこれも反転系ですね。コメントも一部で逆行してます。


今宵は飄逸なエゴイスト ~ Egoistic Flowers.

 今回のトリはこちら。憑依華より『今宵は飄逸なエゴイスト』。

 私のアレンジの中では結構好きな人が多いようです。再生数も『古きユアンシェン』『秘神マターラ』『秘匿されたフォーシーズンズ』『始原のビート』に次いでなんと第5位。ありがたいことです。

 

 兎に角完成してよかったです。直前に『ピュアヒューリーズ』を完成させたときに燃え尽きていたら、このアレンジは未公開のままフォルダの海に沈んでいました。「勢いでやるほうが上手くいくこともある」というのはこの作品が教えてくれました。

「ドラムソロがあれば」というコメントがありましたが、流石にそれは出来ませんでした。ドラムソロって曲の流れを一旦止めることになるので入れどころが難しいんですよね。合う曲で入れれば盛り上がりのブーストになりますが、合わない曲でいれると右肩上がりのテンションが一旦行方不明になりかねません。最後ドラムで締めましたし、それで許して?

 それにしてもコンプレッションが気持ち良いなあ……勢いでやっただけに全部感覚頼りで、おまけにもうデータも無くなってしまったため再現できないのが残念でなりません。スネアの「パァン!」の具合が丁度良いですよね。


 以上、2024年5月後半のおすすめ作品でした。

 なかなか大物の曲が集まって、賑やかですね。

 次回のアレンジは『永遠の三日天下』です。前回ほど深く表現できるかは自信ありませんが、まあなんとかやれるだけやってみますのでご期待下さい。