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今月のおすすめ作品(2024年10月)

 私です。

 ニコ童祭が始まる前からYoutubeチャンネルの整備や作品制作、投稿の後はニコ生の確認、前回分のブログ執筆、過去作再掲とアンケート、そしてその告知。と、怒涛の二~三週間を過ごしたためか、あの後若干燃え尽き気味になりました。やってるときは楽しくて元気に突っ切れましたが、今思うと割としんどかった。

 しんどいといえば。私は最近、自分の進むべき道を考え直し、またも登ってきた階段を降りようとしています。別にそれ自体は前向きに考えているので良いのですが、どうしても孤独に朽ち果てる将来が脳裏を過ってしまって、発狂しそうな気持ちで毎日を過ごしています。Twitterで突然叫んでやりたいですけど、まだ耐えてます。嘘。ほんとはこないだ夜中にベッドで変な声で叫んでのたうち回ってた。なんならこれ書いてる途中もやった。つらい。


おすすめ基準

 ニコニコ動画での「一日あたりの平均再生回数(全期間/過去30日)」と、Youtubeでの「過去28日の総再生時間」(足切りラインあり)の情報をもとに現在の視聴状況を示すスコアを算出、これを基準に以下の区分から作品を選んでいます。

  • 上位作品:3枠
    基本的にはスコアが高くなりやすい新しめの動画がここに入ります。
  • 最下位作品:3枠
    スコアが0.00、つまりニコニコで過去30間全く再生がなく、かつYoutube総再生時間も一定のラインに達しない作品が該当します。
    基本的には全期間の平均再生回数が多い方から選ぶようにしています。
    ごく稀に、このうち1枠を準最下位作品にあてることもあります。(最下位常連作品が上がっていた時など)
  • 平均値作品:2~4作品
  • 中央値作品:2~4作品
    スコアが各値に最も近いものと、その前後を含めた3作品を対象としています。
    各値の状況や次のYoutube枠との兼ね合いもあり、場合によって枠数が変動します。基本的には3枠です。
  • Youtube枠:1枠
    Youtubeアナリティクスにおいて、「この期間(過去28日間)の上位コンテンツ」とされている作品。
    他の枠と被りが発生する場合や前月と変わらない場合等あるため、必ず期間1位を選出するとは限りません。
  • 自由枠:1枠
    その名の通り自由枠です。上記五つの基準にのらなかった作品から一点選ばれます。
    この枠のみ、おすすめ順は先頭固定となっています。

 自由枠を除き、おすすめ順はその時々で変わります。

 また、選出にあたっては「過去3回連続で選出された作品は暫く除外する」という条件を設けています。流石に毎回いられても語ることが無くなるので。

目次


ネメシスの要塞

 今回の自由枠。ダブルスポイラーより『ネメシスの要塞』です。

 やっぱりこの曲はイントロが良いなあ力強いのにお洒落で。しかも最初の小節割りも結構変則的で。何度でも言いますよ、何を飲んだらこんなフレーズ思い浮かぶんです?

 

 このアレンジは三周三部構成となっていて、一周目は原曲準拠、二周目はほんの少しのリハモナイズと転調、そして三周目はほとんどアウトロという形になっています。普段あんまりこういうことはしないのですが、このとき私はニコニコのとあるアレンジャーさんのお得意のやり方を気に入っていて、その影響が全面に出たんだと思います。まあ、流れとしては前回『永遠の三日天下』の項で語ったようなのとだいたい同じ。

 ところでこれ最近気づいたことなんですが、この時の私ってまだThe Grand 3を持っていなかったんですね。このガンガン鳴るピアノはあの音源で出したものだとすっかり思い込んでいました。TG3でないとなるとこれは何だ? HALion Sonic SEのYAMAHA S90ES Pianoとかその辺か? 確かその辺りのピアノが低音を叩きつけるのに強かった気がする。あれもう何年も使ってないや……

 

 さて、ニコニコでは「是非とも無間の鐘のアレンジと続けて聴いてみたいです(チラッ)」というコメントがなされていますね。今でも見て下さっているのかはわかりませんが、お待たせしました、今週ようやく『無間の鐘』のアレンジを投稿する予定です。なるべく連続再生してすんなり入れるようにしたつもりです。もう数日、是非とも楽しみにお待ち下さい。


スプートニク幻夜 ~ Star's Dream

 こちらは秋霜玉並びにThe Grimoire of Marisaより、『スプートニク幻夜』。

 つい先日ニコニコでの直近30日間の再生数がゼロになりましたが、Youtubeでの総再生時間がなんか丁度良い数字になっていたためか、最下位組ではなく平均組としてのピックアップとなりました。今後こういうことは増えると思います。

 ちなみにサブタイトルのStarは魔理沙のイメージです。「魔理沙のみるゆめ」といったところでしょうか。最後は朝日が差し込んで目覚める感じ。

 

 こちらのアレンジは、原曲系の序盤、グリマリ系の中盤、あとなんかよくわかんない終盤の三部構成です。やっぱりね、グリマリのこう、宇宙がパァーッと開けるようなドラマチックな転調が好きなんです。それに加えて原曲の少し寂しげな音使いのイントロも好きと。じゃあ合わせるしかないですよね。そーれがっちゃんこ!(がっちゃんこしたこと無い癖にネタにすな)

 コメントで西方っぽいとされているピアノのパートが出てくるのは終盤から。西方、特に稀翁玉での発狂ピアノって『エニグマティクドール』を聴けば分かるんですが他の作品より一回り細かいんです。それを踏まえて、時々32分音符を交えながら流れるフレーズを用意しました。でもあれかな、三連符も用意したほうが良かったかな? それとも三連符は蓬莱系っぽいからやめて正解? どっちだろう、感想お待ちしてます。


緑眼のジェラシー

 地霊殿より。

 『マターラ』と『永遠の三日天下』がピックアップ対象外になった間に、この二曲を抜いて3位にランクアップしていました。

 

 私はこの曲と『人形裁判』で、テーマの重要性を学びました。どちらのアレンジも芯が通っていて、ちゃんと伝えたい部分が伝わるようになっています。別に今までも何も考えないでアレンジしていたわけではありませんが、やっぱりちゃんと思いを形にして込めるって大事だなと思いましたね。まあ、『緑眼』に関していえば、私自身が当時リアルで嫉妬に狂っていたからやりやすかったというのもあるわけですが。今は第二波がきてます。一生終わらないよこの嫉妬ループ。

 それにしても、『無間の鐘』のアレンジを取り組んでいて改めて思ったのですが、私ってこういうちょっとダークな感じが合うんでしょうか? なんか気づけばこういうアレンジばっかり生み出している気がする。どう思います? 皆さん。


偶像に世界を委ねて ~ Idoratrize World

 鬼形獣より。

 こちらYoutubeでは『人形裁判』といい勝負してます。私はもう最近人気投票に参加もしていなければ結果もあんまりよく見ていないのですが、やっぱり『偶像』って今でも人気高い感じですか? ブームだったもんね鬼形獣の曲。なんか周囲の人がみんなこぞってアレンジしていてすごかった記憶があります。天邪鬼的にはきつい状態でした。

 でもまだちゃんと人気はあるんだろうなあ。Youtubeのアナリティクスには「関連動画」という項目があり、どの動画から自分の動画へ視聴者がよく飛んできたかを確認することができるようになっています。これによると、私の動画の幾つかは『偶像』の複数のアレンジから視聴者が飛んできているらしいのです。ということは人気と考えて良い感じかな。

 

 さて困った。前回語りたいことは全部語っちゃったなあ。どうしよ。親指さんに頂いた絵が良いって話します?

 恰好良いですよね。まず表情が良い。目が宝石みたいで綺麗ですよね。次に色味が好き。輝くハイライトもいいですよねぇ。そして周りのこの……この……な、なんていうの? 赤いやつ。オーラ? 最近のラスボスたち変なオーラ多くない……? それがね、原作立ち絵よりもダイナミックになっていてね、勢いがあってよいですよね。上のほうを空けておいてもらって正解でした。こんなに良いスペースの使い方をしていただけるとは。

 いやーそれにしても自分で描かなくてよかった。私の絵はほら、あんなんだもん。『人形裁判』や『月時計』みたいに合うときは合いますけど、このアレンジには向いてない。他所様に依頼して正解ね。


月時計 ~ ルナ・ダイアル

 紅魔郷より。
 今回はYoutube枠としてピックアップ。本当は『舞踏機関、壊れた』になるところなのですが、どうせあれはずっと上位常連だろと判断してその一つ下のこちらを選びました。

 

 この曲ってアレンジが難しいと思うんです。
 まずイントロのド頭から何やってるか分かりづらい。その証左なのか、東方アレンジではフレーズが潰されるのはしょっちゅうですが、割と原型を残しているほうのアレンジですら『月時計』のイントロは潰されていることが多いです。あのフレーズ全部をちゃんと鳴らしてるアレンジに出会ったことがない。そしてBパートもメロディのリズムも掴みづらい。そもそもこの曲はBパートだけ急に三拍子になる上、メロディ自体もあんまり主張しないんです。

 多分これらってどっちも時間に関係するキャラクターの曲だからというのがあると思うんです。シンコペーションありのわけわからん動きから始まったと思ったら急にジャンと止まって、分かりやすいフレーズをちょっと鳴らしたと思ったらまた変な動きをして、一旦落ち着いたと思いきや今度はリズム感の乏しい浮遊感のあるフレーズがきて、最後は急に一番分かりやすいパートがあると。今になって、これは時間を操作されていることの表現なのかなと思うわけです。

 でね、私そんないぶし銀的なあのイントロが大好きなんですよ。恰好良いじゃあないですか。渋くて、のっけから一手先を行かれているようで。Easyのラスボスという強敵に相応しいイントロです。一旦弾速が落ち着く第三通常でイントロに戻ってくるともうテンション爆上がりです。そこをどうしても恰好良くキメたかったんです。

 あ、でもね、ピアノを選んでジャズの香りが少し入ったのはただの偶然。まあ後半の萃夢想パートと相性が良いのでOKかな。


華狭間のバトルフィールド

 激しい曲が続きます。

 こちらは深秘録より、華扇対戦曲です。

 今回は平均値(1.16)に最も近い位置にいました。(1.09)

 

 私ね、このアレンジを聴く度にずっと思うことが一つあるんです。

 またこれぐらいジャガジャガ掻き鳴らす曲やりたーい!!

 だって楽しいし恰好良いじゃあないですかこういうの。でもなかなかそういうイメージのある曲がなくて、ずっとこの欲を満たせずにいます。どの曲だったらこういうふうになるかなあ……『スモーキングドラゴン』とか? でもあれもちょっとフレーズの緩急ついちゃってるか。えーじゃあなんだろう、東方曲でここまでフルスロットルな曲ってあと何がある……? 個人的に『アンロケイテッドヘル』はこの解釈ではないです。あれは違う。フレーズが細い。

 やば、真面目に思い浮かばないな。変な表現になりますけど、他の激しめの曲もなんというかちょっとお上品すぎる。別にいくら華扇の曲だからって『華狭間』が下品とかそういうわけではないですよ? でもここまでのなりふり構わないような、得物片手(もしくは両手)に突っ込むような「行くぞオラァーーッ!!」みたいな感じは他の曲には無い。『ルナティックドリーマー』も違う。あれはこんなに爽やかじゃない。あれはむしろ爽快感はなくて湿ってる。悪夢だし。『封じられた妖怪』もちょっと可愛すぎる。『妖恋談』はいい線いってるか……? あと『マターラ』もこれっぽいけどあの皆で歌うようなサビがなんか違う、爽やかだけどこうじゃない。やばい、ほんとに思い浮かばない。

 

 おすすめしろよ。


Maniacal Princess

 こちらは夢時空から。小兎姫の戦闘曲ですね。

 こりゃまた懐かしいのが出てきましたね。

 

 確かこのアレンジは、はじめて本格的にCubaseの音源を使った曲だったと記憶しています。まだSD-90とHALion Sonic SEに頼りきりで、ドラムに至っては今はもう使っていないGroove Agent SEを一部使用しています。多分キックがGAでスネアがSDだったはず。それまでSGMオンリーやSDオンリーだったのがDAWを買っていきなりドラムに複数音源使うとは素質あるな私。流石。もって褒めて。

 コメントでも言われているように、「狂ったような音の流れ」が特徴だと思います。どんどんテンションを上げながらひたすら繰り返すのは古いZUN曲の特徴の一つです。その良さが顕著に現れている一曲がこの『Maniacal Princess』なのではないでしょうか。ということでどんどん突っ込むように、前のめりに。大体そんな感じ。なんか『ヴォヤージュ1969』みたいなところもありますよね。

 

 それにしてもなんだろう、なんでこのアレンジを聴いていると独特な懐かしさを覚えるんだろう。メインPCがぶっ壊れて暫くノートのほうで連縁をやってドはまりしたあの冬の穏やかなお昼……特段良い思い出があったわけではないですけど懐かしいなあ。冬っていいなぁ。


広有射怪鳥事 ~ Till When?

 妖々夢妖夢戦闘曲。エンダァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

 やっぱり妖々夢妖夢って語感がいいなあ。無限に言ってられるわ。

 

 この曲の特徴はやはりドラムでしょうね。『広有射怪鳥事』とか言っていますが、多分これ弓じゃなくてガトリング砲かなんか乱射してるんだろうな、ってぐらい連打しているのが気持ちいいですね。こう、一分間に600発の鉄甲弾を発射可能で30mmの鉄板を貫通できる重機関砲とか。

 なのでこのアレンジでもその点を重視しました。音源はEZDrummer2のModernキットのやつですが、確か以前の記事でも触れたように、なるべく元音源であるLMっぽくしたつもりです。今でもこのセットは重宝しています。ところでなんか一時期やたらとLMっぽいドラムを使ってる人が多かった気がするんですが、あれってなんなんです? 別に私は自力で寄せてしかも使い勝手の良いこのプリセットがあるのでLMいらないけど。

 

 このアレンジでは緋想天版の要素も含んでいます。『月時計』で萃夢想要素を入れたのは初めからそうしたかったためですが、こちらについては「展開が同じで飽きていた」というのが正直なところです。だってイントロ終わったらループまでずっと同じフレーズだものね。だったらちょっと他の要素も入れたい。そう思って、およそ曲調とは合わないであろう楽器を使って緋想天パートを入れました。でもね、このアコーディオンだったかバンドネオンだったか忘れたんですが、これが割と他の部分でも噛み合わせが良くて、ああこれやってよかったわあ~なんてね、思っているわけです。


オルフェの詩 ~ Pseudoclassic

 稀翁玉より。

 今回は平均値組として選出しました。ニコニコがやられる前は毎月一定の視聴数があったのですが、再開後はもうぱったり。サービス停止の影響を結構受けた作品の一つだと思いますね。ちなむと『月まで届け』もそんな感じです。2ヶ月空いてあんなに見られなくなるとは思いませんでした。しょうがないから彼らの分も頑張るんだぞ、『人形裁判』。

 

 こちらは伊弉諾物質/輝針城風です。当時はまってたやつ。「めいまいといえばこっちがまず浮かぶ」というコメントがありましたが、すまねぇ、私は『ディザストラスジェミニ』派なんだ。

 みなさんやっぱりあのエレキギターが好きなんでしょうかね。わかる、私も好き。実は稀翁玉の曲と伊弉諾輝針城の曲風って相性が良くて、ギターの使い方が割と近いんです。これは『天鵞絨少女戦』のMIDI版を聴いて頂ければわかります。基本的にコードをジャガジャガやりつつちょっとだけ動いたり、フレーズをやる中でたまに和音を鳴らしたりするのが輝針城辺りのElectri6ity使いの特徴で、『天鵞絨少女戦』のエレキもこの特徴を持っているんですよ。今回のアレンジでもそういった部分を少しだけ意識しました。ちなみにこれは前回触れたように、『東の国の眠らない夜』のアレンジでもやってます。


訪れぬ五月晴れ

 久しぶりにきました、東方風オリジナル曲。『風花舞台』用に書いたものです。

 この曲はいわゆる「最下位常連曲」で、平均再生数も低ければYoutubeでもあまり見られていないのでもうおすすめ対象から外していたのですが、今回珍しく直近30日の間に1視聴あったということで、最下位組として久々にピックアップ致しました。以前最下位常連曲はおすすめを諦めているとは言いましたが、こういう機会があればこうして取り上げるつもりです。

 ていうかここから3曲ずっと最下位組なんですけど、最下位組のほうがYoutubeに揃ってるってのもなんか珍しいな……

 

 で、久々に聴いた感じ、「どこが東方風なんだよ」と、少し思ってしまいまして。まあこれは仕方がないですね、私は型はオリジナルで東方の要素を後から乗せるタイプですので。

 一応インスピレーション元としては、『フェアリー冒険譚』『ほおずきみたいに紅い塊』『紅楼』辺りが挙げられます。『冒険譚』と『ほおずき』はベースの使い方、『紅楼』は雰囲気と一部フレーズを拝借しました。この曲はちょうど紅魔郷(曲風ではない)をイメージした曲ですので、まあネタ元としては適切です。ちょうどこう、すぐ近くで眺めていた紅霧異変を振り返るようなね、そんな感じです。

 あとメロディのネタ元は東方全然関係なくて、ドビュッシーの『夢想』からきていたりします。この頃よく弾いていたのよ。


Magic of Life

 激しい曲の流れが終わったと思ったら今度は陰鬱な曲が続きます。

 幻想的音楽より、『Magic of Life』です。

「残酷なアリス系」でしたっけね? その言葉のイメージが強かったので、原曲の若干爽やかさもある響きをなくして、『東の彼方の夢』シリーズ共通のテーマである蓬莱人形のエッセンスも加えて、かなり息苦しくなるような、今にも儚く衰弱死しそうな、心臓を下の方に引きずられるような、そんな感じに仕上げました。正直ね、これ聴くとしんどい。つらくなってくる。

 まあ、『東の彼方の夢』においては、ここで主人公である「私」の現実パートが終わり次から幻想への夢パートが始まるので、続く『Dream Land』の華やかさとの対比としてはとても良いのかもしれない。現実ってほんと厭だもんね。

 

 ていうかなんとなしに大百科見てみたらこのアレンジ載ってるじゃん。誰ですやってくれたの。ありがとう御座います。嬉しいわとっても。


魔法少女十字軍 ~ Little Little Crusader

 秋霜玉および幻想水琴音楽より。

 この曲はちょっと出典がややこしいですね。

 アレンジ自体はそんなに面白いところはなくて、SGMで原曲をできるだけ再現して、ちょっとピッチを弄ったぐらいしか変わったところはありません。強いて言うなら、2回目のAパートで秋霜玉版のフレーズが少し大きめに入っているぐらいかな。

 

 確か鳴り響く鐘の音で手こずっていた記憶があります。いやまさかさ、SD-90に一音鳴らすだけでカンカンいうなんとも便利な音が入ってるだなんて思わないじゃない。これ珍しく細かく打ち込んであるなあと思ってたらこれだよ。まあいいんですけどね綺麗だし。勉強にもなりましたし。

 

 先程の『Magic of Life』が『東の彼方の夢』での現実パートの終わりなら、こちらは幻想入りパートの始まりといったところでしょうか。「私」は舎密の世の奴隷になることを拒み幻想へを身を投げ、『蓬莱幻想』で彼方東へと飛翔し、『不思議の国のアリス』で常識に囚われない世界の門を叩く。そんな感じの流れです。このアレンジの出典にわざわざ幻想水琴音楽版を選んだのは、その.txtに「少年少女十字軍の勇ましさと、大人を信じて騙された無念の塊」という記述があったからですね。進歩を子どものように喜ぶ人間はみな科学の奴隷というこのシチュエーションには割とピッタリ。

 まあね、AIが出てきて発展を喜ばない人も結構目立つようになってきたわけですが、この頃はそんなのわかりませんでしたから。しかたないじゃない、しかたないじゃない。それでいうと私は奴隷側になるのかな。

 

 大人になったら帰ってらっしゃい。まあ、そのまま消えてしまうのも一つの選択。 もう自由ですから。


人形裁判

 妖々夢より『人形裁判』。

 まずは皆さん、沢山のご視聴ありがとう御座います。お陰様で、代表作と胸を張って言える作品の一つになりました。鮭は面白いけど色々複雑な要素が多くて胸張れなかったもんな。

 ちなみにこの記事執筆中にYoutubeのほうが3000回再生突破しました。素晴らしい。スコアも525.52とかいう全てを置き去りにした数値を出してます。素晴らしい。

 

 前回は音楽的なところに触れましたし、今回はコメントに触れていきましょうか。まず全てのコメントに感謝を。こう見えてとっても嬉しいです。本当にありがとう御座います。結構多くの方に好きと言ってもらえてもう感激ですね。

 

 さて、コメントやニコ童祭の生放送では、不気味さに結構触れられていましたね。嬉しい反応です。

 私はアリス・マーガトロイドというと、華やかさと不気味さを併せ持つキャラクターだと思っているので、サビは原曲通り華やかに、それ以外の部分は夢違科学世紀版よりも更に不気味にして表現しました。ただその不気味の方向性は、夢違版とはちょっと違うものにしたつもりです。

 夢違版の人形裁判は、それまで二曲かけて「逃げろ」とメリーの本能に訴えかけていた赤い目の存在の姿を目視し、それすら燃える少女に怯えていたという展開にあてられていて、外からこちらの危機感を煽るような音使いをしています。真犯人がついに姿を表したかのような緊張感もありますね。対してこのアレンジでは、初めこそ外から見たアリスの不気味さを表していますが、後半では、アリス自身が狂気じみた強い思いに駆られて動いているような、内からの焦燥感も意識しています。途中の長々と畳み掛ける部分がそれ。ドラムがいい仕事したねえここは。

 

 長い狂乱の果てに何かを思い出して正気に戻り、逡巡の後その思いに終止符を打ち、少女は消えていく。その「何かを思い出し」に当たる部分が、『Romantic Children』のパートです。あの部分も評価良かったですね。私は正直言ってあの曲自体はアリスの曲と思っていないのですが、タイトルに思うところがあって、あのポジションに持ってきました。ちょうどメロディーも近いですし。

 あと、生放送のコメントでは「いかにも魔法で急成長しましたって感じの悍ましさ」について触れられていました。なるほどって感じです。あんまり動画演出を語ると面白くなくなるので控えるつもりですが、全体を通して、「旧作アリスが本体に見えるようにした」とだけ言っておきますね。

 そういえば「無機質」というコメントが動画と生放送とでありました。あんまり考えていなかったのでまるで想定外でしたが、まあ確かに、私の意図には噛み合っているものかもしれません。このアリスは無機質かもしれない。


 以上、2024年10月のおすすめ作品でした。

 今週中には『無間の鐘』のアレンジを投稿できればと思っていますので、そちらもどうぞ宜しくお願い致します。